・ 火を担ぎ走る頭(つむり)やお水取り
あの松明を持って走るのが「つむり」というのかという御質問だが、ちょっと実際に見ないと判り難いのかもしれない。二月堂の内陣で行をする練行僧を松明をもって下の部屋から先導して階段をのぼる若い僧がいる。上って練行僧が入ったあと、彼は大きな松明を肩に廻廊を駆け抜ける。下から見上げていて、その懸命な姿が松明の明かりでシルエットになって丸い頭が印象的だった。丸い頭を「つむり」と表現したわけ。2015年4月24日金曜日
2015年4月23日木曜日
函館通信2-23・・・猫跨ぎ句鑑賞・・・仁兵衛
未だだろうと多寡をくくっていたら早々に桜が攻めて来た。水芭蕉も見頃だとか言っている。街路樹の七竈は実に葉の成長が早く色気の無かった道路があっという間に緑になった。何もかも何時もより早く感じる。本当は大した変化ではないのだろう。
猫跨ぎ句鑑賞にゆこう
・ 三鬼忌やキリンは黒い舌伸ばし・・・西東三鬼の句は不勉強であまり読んでない。しかしキリンの舌が黒いとはよく観察されていますね。
・ 伸ばす手に猫の温さや春の闇・・・たしか物凄く可愛がっていた猫ちゃんがいましたね。春の闇に消えて少し寂しいのかな。
・ 春陰や聞きそびれたること一つ・・・「春陰」とは「春の曇りがちな天気」とある、季語とその後とが実につかず離れず味を出していると思う。特選。
・ 一枚の皿見当たらず鳥雲に・・・その皿は雲間に飛んでいったと思いますよ。日常の些細な事と自然界の成り行きが重なってメルヘンになって行くのでしょう。
・ 行く春や象牙は深き飴色に・・・春も終わりか。それは毎年繰り返されるけど象牙の色はだんだんと変化して行くという所かな。
・ 藤壺は巌に乾き鳥帰る・・・磯の岩にへばり付いた藤壷(富士壺)よくもまあああやって生きているもんだ。おら達も繁殖地に帰って子孫残すべ。準特選。
・ 火を担ぎ走る頭やお水取り・・・あの火柱を持って走っているのは「つむり」というのか。
・ お水取り奈良町の路地人絶えて・・・東大寺辺りはどの位の人口が居るんだろうか。歴史があるから人口減少問題はあまり問題にならないのだろうか。
・ 気配して鹿がゐるなり春の闇・・・暗闇でも鹿の目はライトに当たると光るね。ライトが無ければ人も負けじと五感を働かせましょう。
・ 南大門の思はぬ高さ月朧・・・綺麗な情景だね。高く昇った朧月を愛でてたらそばに南大門があり月と同じ位の高さがあり改めて驚かされている。第三席。
猫跨ぎ句鑑賞にゆこう
・ 三鬼忌やキリンは黒い舌伸ばし・・・西東三鬼の句は不勉強であまり読んでない。しかしキリンの舌が黒いとはよく観察されていますね。
・ 伸ばす手に猫の温さや春の闇・・・たしか物凄く可愛がっていた猫ちゃんがいましたね。春の闇に消えて少し寂しいのかな。
・ 春陰や聞きそびれたること一つ・・・「春陰」とは「春の曇りがちな天気」とある、季語とその後とが実につかず離れず味を出していると思う。特選。
・ 一枚の皿見当たらず鳥雲に・・・その皿は雲間に飛んでいったと思いますよ。日常の些細な事と自然界の成り行きが重なってメルヘンになって行くのでしょう。
・ 行く春や象牙は深き飴色に・・・春も終わりか。それは毎年繰り返されるけど象牙の色はだんだんと変化して行くという所かな。
・ 藤壺は巌に乾き鳥帰る・・・磯の岩にへばり付いた藤壷(富士壺)よくもまあああやって生きているもんだ。おら達も繁殖地に帰って子孫残すべ。準特選。
・ 火を担ぎ走る頭やお水取り・・・あの火柱を持って走っているのは「つむり」というのか。
・ お水取り奈良町の路地人絶えて・・・東大寺辺りはどの位の人口が居るんだろうか。歴史があるから人口減少問題はあまり問題にならないのだろうか。
・ 気配して鹿がゐるなり春の闇・・・暗闇でも鹿の目はライトに当たると光るね。ライトが無ければ人も負けじと五感を働かせましょう。
・ 南大門の思はぬ高さ月朧・・・綺麗な情景だね。高く昇った朧月を愛でてたらそばに南大門があり月と同じ位の高さがあり改めて驚かされている。第三席。
2015年4月20日月曜日
今月の投句・・・猫跨ぎ
豪雨の予想が外れたのか、しとしとの菜種梅雨の風情。あすからは雨も上がって、暑からず寒からずのいい気候らしい。では、今月の投句。
・三鬼忌やキリンは黒い舌伸ばし
・伸ばす手に猫の温さや春の闇
・春陰や聞きそびれたること一つ
・一枚の皿見当たらず鳥雲に
・行く春や象牙は深き飴色に
・藤壷は巌(いはほ)に乾き鳥帰る
・火を担ぎ走る頭(つむり)やお水取り
・お水取り奈良町の路地ひと絶えて
・気配して鹿がゐるなり春の闇
・南大門の思はぬ高さ月朧
・三鬼忌やキリンは黒い舌伸ばし
・伸ばす手に猫の温さや春の闇
・春陰や聞きそびれたること一つ
・一枚の皿見当たらず鳥雲に
・行く春や象牙は深き飴色に
・藤壷は巌(いはほ)に乾き鳥帰る
・火を担ぎ走る頭(つむり)やお水取り
・お水取り奈良町の路地ひと絶えて
・気配して鹿がゐるなり春の闇
・南大門の思はぬ高さ月朧
2015年4月19日日曜日
27.4 仁句鑑賞・・・猫跨ぎ
はるか昔、こちらへ出て来て面食らったのは老いも若きも桜に大騒ぎしていることだった。開花予報、開花宣言、一喜一憂している様が異様に見えたね。終わってしまえば、ケロリとしている。我が国民性そのものかもね。
さて仁句鑑賞。
1.意地悪は長生きすると万愚節
意地悪爺さんになると誰か言っていたなあ。俳人の正木ゆう子の句に「へんくつなばあさんになろゐのこづち」というのがあった。健康な証拠じゃないか。
2.海峡を五日でわたり花の宿
弘前の満開から五日経って函館で開花、かな。
3.酒類乙万朶一朶の花霞
甲類が連続蒸留のクセのない焼酎。それに対し乙類は昔ながらの焼酎。花の下、酔いが一層まわろうというもの。
4.陣屋跡ひと木の桜ふぶきけり
陣屋は代官などの居所か。室蘭の近くに陣屋浜という海水浴場があって子供の頃行った記憶がある。北海道で数少ない江戸時代の雰囲気を思わせる地名だった。陣屋の跡地に桜の古木があるという。準特選。
5.散る桜逝きたる友の方へ散る
直截的な表現でなおのこと思いが伝わるね。
6.亀鳴くや着る服のない放射能
最近、台湾が日本から輸入する食品に産地表示を求め、福島近隣からの物は、検査を厳しくするという。汚染水の漏洩が不気味に思われているのだろう。
7.春障子尖った声を包みけり
春障子に日溜まりのほのかな明るさ。
8.海底のトンネルを出る春の闇
このまえ、青函トンネルで火事があったね。「トンネルに入り」としたらどうだろうか。
9.泥濘に花の予測の沈み行く
これは雪解けの泥濘のこと。そこはかとないパセティックな感じがいい。特選。
10.つちふるや新駅東西南北に
東西南北に新幹線がらみの新駅が出来たということかな。上五がちょっとアイロニカルだね。
さて仁句鑑賞。
1.意地悪は長生きすると万愚節
意地悪爺さんになると誰か言っていたなあ。俳人の正木ゆう子の句に「へんくつなばあさんになろゐのこづち」というのがあった。健康な証拠じゃないか。
2.海峡を五日でわたり花の宿
弘前の満開から五日経って函館で開花、かな。
3.酒類乙万朶一朶の花霞
甲類が連続蒸留のクセのない焼酎。それに対し乙類は昔ながらの焼酎。花の下、酔いが一層まわろうというもの。
4.陣屋跡ひと木の桜ふぶきけり
陣屋は代官などの居所か。室蘭の近くに陣屋浜という海水浴場があって子供の頃行った記憶がある。北海道で数少ない江戸時代の雰囲気を思わせる地名だった。陣屋の跡地に桜の古木があるという。準特選。
5.散る桜逝きたる友の方へ散る
直截的な表現でなおのこと思いが伝わるね。
6.亀鳴くや着る服のない放射能
最近、台湾が日本から輸入する食品に産地表示を求め、福島近隣からの物は、検査を厳しくするという。汚染水の漏洩が不気味に思われているのだろう。
7.春障子尖った声を包みけり
春障子に日溜まりのほのかな明るさ。
8.海底のトンネルを出る春の闇
このまえ、青函トンネルで火事があったね。「トンネルに入り」としたらどうだろうか。
9.泥濘に花の予測の沈み行く
これは雪解けの泥濘のこと。そこはかとないパセティックな感じがいい。特選。
10.つちふるや新駅東西南北に
東西南北に新幹線がらみの新駅が出来たということかな。上五がちょっとアイロニカルだね。
2015年4月17日金曜日
函館通信2-22・・・花狂い・・・仁兵衛
ホロホロ会例会ご苦労様でした。桜は既に散ってしまったけど好天に恵まれ何よりでしたね。写真を見る限り皆さん年相応の顔になられていますな。桜の花にはもう狂う様なことはないのかもしれないね。
中学時代の友人でなが年ドイツで働いていた奴がたまたま桜の時期に日本に戻り花見の光景を見ると日本人の花狂いに感嘆し直ぐに自分もそれに溶け込んでしまうと言っていた。桜の魔性を強く感じての事だ。日本国中二カ月以上にわたり楽しませ、狂わせて呉れる自然の神とでも言えよう。
しかし、やっと函館にも桜が近づいて来た一週間前家から300mの所で車で親子3人にぶつけた上親父に暴行を働くという事件が起きた。動機が幸せそうな3人を見ていたら殺したくなったという訳の解らない事を言っている。桜は未だ咲いていないのに早くもくるってしまったのか。被害者はいい迷惑である。
今月の10句
1.意地悪は長生きすると万愚節
2.海峡を五日でわたり花の宿
3.酒類乙万朶一朶の花霞
4.陣屋跡ひと木の桜ふぶきけり
5.散る桜逝きたる友の方へ散る
6.亀鳴くや着る服のない放射能
7.春障子尖った声を包みけり
8.海底のトンネルを出る春の闇
9.泥濘に花の予測の沈み行く
10.つちふるや新駅東西南北に
中学時代の友人でなが年ドイツで働いていた奴がたまたま桜の時期に日本に戻り花見の光景を見ると日本人の花狂いに感嘆し直ぐに自分もそれに溶け込んでしまうと言っていた。桜の魔性を強く感じての事だ。日本国中二カ月以上にわたり楽しませ、狂わせて呉れる自然の神とでも言えよう。
しかし、やっと函館にも桜が近づいて来た一週間前家から300mの所で車で親子3人にぶつけた上親父に暴行を働くという事件が起きた。動機が幸せそうな3人を見ていたら殺したくなったという訳の解らない事を言っている。桜は未だ咲いていないのに早くもくるってしまったのか。被害者はいい迷惑である。
今月の10句
1.意地悪は長生きすると万愚節
2.海峡を五日でわたり花の宿
3.酒類乙万朶一朶の花霞
4.陣屋跡ひと木の桜ふぶきけり
5.散る桜逝きたる友の方へ散る
6.亀鳴くや着る服のない放射能
7.春障子尖った声を包みけり
8.海底のトンネルを出る春の闇
9.泥濘に花の予測の沈み行く
10.つちふるや新駅東西南北に
2015年4月13日月曜日
27.4 ほろほろ会東京散歩・・・猫跨ぎ
先日のほろほろ例会で恒例の東京散歩のことを備忘としてちょっと書いておこう。前後の雨続きの天気が、この日ばかりは計ったような好天でまことに散歩日和。
まずブリヂストン美術館。ブリヂストンといえば石橋正二郎の創設したブリジストンタイヤ。典型的な立志伝の人物。こうして一から事業を起こし、日本の資本主義の成長とぴったり歩調があって成功すると、凄まじい財力をもつことの証左なんだろう。
それを投じて集めた内外の名画、彫刻がなるほど目白押し。教科書に載っていた絵画がぞろぞろ出てくる。
青木繁の「海の幸」なんかは勇壮でいい。あと、同じく青木の「わだつみのいろこの宮」。藤島武二、黒田清輝。
なんだか、登り坂だった明治の香りがプンプン匂う。精神分裂気味の現代美術は、それから随分遠くへ来てしまったものだ。
あと、ヨーロッパの印象派の有名どころ、ピカソ、マチスの現代絵画。彫刻。ずいぶん幅広く収集したものだと改めて感心した。ある種の使命感があったのではないかな。
そして、伝馬町牢屋敷跡である十思公園。「時の鐘」があって、鳴らされるとともに処刑が執行されたとか。
「身はたとへ 武蔵の野辺に朽ちるとも 留め置かまし大和魂」の吉田松陰の辞世の走り書きが、碑になっている。これは弟子達宛で、家族には「親思ふ 心にまさる 親心 けふのおとずれ 何ときくらん」を遺した。
牢屋の何分の一かの模型が陳列されていた。ふと思ったが、この前新聞に載っていた、イスラム国の人質を収容していた場所の見取り図によく似ている。例の後藤さん達が閉じこめられていたところ。江戸の牢では辞世を書かせて遺す配慮があったが、イスラム国では、身代金取れずば、委細構わず首を刎ねるのみだ。
まずブリヂストン美術館。ブリヂストンといえば石橋正二郎の創設したブリジストンタイヤ。典型的な立志伝の人物。こうして一から事業を起こし、日本の資本主義の成長とぴったり歩調があって成功すると、凄まじい財力をもつことの証左なんだろう。
それを投じて集めた内外の名画、彫刻がなるほど目白押し。教科書に載っていた絵画がぞろぞろ出てくる。
青木繁の「海の幸」なんかは勇壮でいい。あと、同じく青木の「わだつみのいろこの宮」。藤島武二、黒田清輝。
なんだか、登り坂だった明治の香りがプンプン匂う。精神分裂気味の現代美術は、それから随分遠くへ来てしまったものだ。
あと、ヨーロッパの印象派の有名どころ、ピカソ、マチスの現代絵画。彫刻。ずいぶん幅広く収集したものだと改めて感心した。ある種の使命感があったのではないかな。
そして、伝馬町牢屋敷跡である十思公園。「時の鐘」があって、鳴らされるとともに処刑が執行されたとか。
「身はたとへ 武蔵の野辺に朽ちるとも 留め置かまし大和魂」の吉田松陰の辞世の走り書きが、碑になっている。これは弟子達宛で、家族には「親思ふ 心にまさる 親心 けふのおとずれ 何ときくらん」を遺した。
牢屋の何分の一かの模型が陳列されていた。ふと思ったが、この前新聞に載っていた、イスラム国の人質を収容していた場所の見取り図によく似ている。例の後藤さん達が閉じこめられていたところ。江戸の牢では辞世を書かせて遺す配慮があったが、イスラム国では、身代金取れずば、委細構わず首を刎ねるのみだ。
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