2015年4月19日日曜日

27.4 仁句鑑賞・・・猫跨ぎ

はるか昔、こちらへ出て来て面食らったのは老いも若きも桜に大騒ぎしていることだった。開花予報、開花宣言、一喜一憂している様が異様に見えたね。終わってしまえば、ケロリとしている。我が国民性そのものかもね。

さて仁句鑑賞。
1.意地悪は長生きすると万愚節
意地悪爺さんになると誰か言っていたなあ。俳人の正木ゆう子の句に「へんくつなばあさんになろゐのこづち」というのがあった。健康な証拠じゃないか。
2.海峡を五日でわたり花の宿
弘前の満開から五日経って函館で開花、かな。
3.酒類乙万朶一朶の花霞
甲類が連続蒸留のクセのない焼酎。それに対し乙類は昔ながらの焼酎。花の下、酔いが一層まわろうというもの。
4.陣屋跡ひと木の桜ふぶきけり
陣屋は代官などの居所か。室蘭の近くに陣屋浜という海水浴場があって子供の頃行った記憶がある。北海道で数少ない江戸時代の雰囲気を思わせる地名だった。陣屋の跡地に桜の古木があるという。準特選。
5.散る桜逝きたる友の方へ散る
直截的な表現でなおのこと思いが伝わるね。
6.亀鳴くや着る服のない放射能
最近、台湾が日本から輸入する食品に産地表示を求め、福島近隣からの物は、検査を厳しくするという。汚染水の漏洩が不気味に思われているのだろう。
7.春障子尖った声を包みけり
春障子に日溜まりのほのかな明るさ。
8.海底のトンネルを出る春の闇
 このまえ、青函トンネルで火事があったね。「トンネルに入り」としたらどうだろうか。
9.泥濘に花の予測の沈み行く
これは雪解けの泥濘のこと。そこはかとないパセティックな感じがいい。特選。
10.つちふるや新駅東西南北に
東西南北に新幹線がらみの新駅が出来たということかな。上五がちょっとアイロニカルだね。

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