2014年10月21日火曜日

26.10仁句鑑賞・・・猫跨ぎ

  褌子氏の奥方は、山上で野点をおやりになるのか。風流だね。芒をみながら蛇笏句を連想するのもまた一興。飯田蛇笏と言えば、前にも言ったが、生前、自句の句碑を絶対建てさせなかった。まことに麗しい見識だ。今は、インチキ俳人があちこちに建てて風景を汚している。一掃したいね。

さて10月度仁句鑑賞。
1.十月のアベベの跣折り返す
東京オリンピックから50年か。前のローマ大会と東京大会と、跣のアべべは2連勝でオリンピックを象徴するアスリートとなった。東京五輪と言えば、札幌の下宿先のテレビで女子バレーの決勝を見たなあ。高度成長、その終わり、下降、停滞とそれに平仄を合わせた世の中の変化、何でもありの50年だった。折り返して何処へ行くのやら。準特選。
2.朝顔や頂き見せぬ御嶽山
木曽の御嶽山の悲劇だ。死者の殆どは噴石直撃だったらしい。誰が予測できるものか。紅葉なんかを楽しみに行っただろうに。そういえば、北大の岡田名誉教授(恵迪で一緒だった)が辛口のコメントを述べていた。
3.ボロボロの秋蝶長き汀かな
秋蝶で軽く切れるのかな。汀をひらひら飛んでいったか。
4.秋の蚊の払ひ払ひて墓の前
蚊を払いつつ墓参り。デング熱騒動もようやく覚めたが、来年も繰り返すね、きっと。
5.櫨紅葉遺跡の海に果てにけり
 3.11の名残とも思うが、具体的には判らない。いまも多数の行方不明者を呑み込んだまま。櫨紅葉は悲しき鎮魂の象徴か。雰囲気で特選。
6.鳥渡る終の勝者は武器持たず
一般的な教訓かな。訓辞を垂れると、俳句は輝きを失う(笑)。
7.拓郎の四畳半フォークそぞろ寒
吉田拓郎の、芒のかんざし ~とかいうやつね。彼もいまや大御所。井上陽水、南こうせつ、伊勢正三、みな老人になってしまった。この辺は判るが、サザンとなると煩いだけだ。
8.電柱に海抜二メートル湾の秋
そうね、気が付くと、街中のあちこちに、海抜何mの表示を見るようになった。たまに鎌倉に行くが、一朝ことあらば、市内は鶴岡八幡宮以外はみな水没じゃないか。大仏はもともと大仏殿に鎮座していたのが、室町時代だったか津波でみな外構が流されてしまったとか。
9.海見せぬ嵩上げ工事秋深し
三陸海岸で堤防の嵩上げが行われていて、海が見えないと不平が出ているらしい。そんな我が儘も出てくる。
10.初霜や解読出来ぬ短縮語
和語、英語など例は数知れず。特に英語は多いね。最近、テレビ、ラジオでMCと言う言葉をよく聞くが、判る人いる? 音楽の演奏と演奏の繋ぎに話す言葉、ないし人物のことらしいが、元は Master of ceremonies、要するにイベントの司会者という事だ。本来の意味とは随分ずれているが、皆、訳知り顔で使っている一例だろう。

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