2015年8月18日火曜日

27.8 仁句鑑賞・・・猫跨ぎ

  きのう奈良から帰ってきたとこ。東大寺の万燈供養会を見たくてね。暑いさなかではあったが善男善女の一員となり千年の悠久に思いを馳せたわけだ。黄泉の彼方へ行ったのではないかと御心配の向きもあったらしいが、残念ながらちょっと手前。という気分ではなく、全くの興味から。しかしもう疲れた、年には勝てない。奈良の話はまた後ほど。

8月度仁句鑑賞といこう。
1.朝顔や咲けば数える癖のまま
朝のささやかにして愉しい習慣。おうおう咲いたか、というわけだ。〈朝顔や咲けば数えるだけのこと〉とちょっと突き放した見方も面白い。
2.行合の空に涙す鴨居玲  準特選
鴨居玲という画家は詳しく知らない。下着デザイナーの鴨居羊子の弟とか。こういう異形の表現者というのは血筋なのかな。行き合いという言葉に格段の知識はないけれど、この画家にはむしろ他者との遭遇というイメージを峻拒する姿勢を感じるけどね。
3.冷奴夕刊配り終りけり
これね、このままだと作者が夕刊配達してしまうことになる。そうだとして、仕事をおえての冷奴ということ。取り合わせがあまり効いていないなあ。
4.語部の雲間に消へて原爆忌 特選
語部の二代目の養成が話題になってるね。原爆投下からもう70年だからね。年月は容赦なく押し流してゆく。「お詫び」が取り沙汰されているが、アメリカは一度でもお詫びを言ったかね。この前のテレビで、広島を訪れた原爆製造関係者が、さんざん原爆資料館の惨状を見聞きしたあと、死者へお詫びの言葉を一言という被爆者に対し、「No, Remember Pearl Harbor.」とやり返して、場を凍らせていた。今でもこんな認識なんだ、この連中は。謝れに対して、反射的に反発する性とは思うが、何せスカスカの頭の構造だ。語部どころかろくな記憶もないのでは。
5.脂ぎる一膳飯屋秋に入る
焼肉定食か焼鯖定食で、その前に取りあえず生ビール。秋に入っての一風景。
6.盆の月くぼみの浅き水溜り
水溜まりは普通、浅いから当然だけど。盆の窪との連想かなあ。
7.探査機の行く星の先沙羅の花
日本の探査機は小惑星群、アメリカのは冥王星以遠とか。沙羅双樹は釈迦の涅槃に入ったときに四囲に咲いていた。悠久の世界。
8.六分の停車時間や流れ星
逸徳評への自句自解で判りました。
9.空蝉や国破れては山河なし
これ国家観?
10.紙花咲きぬ蜩の声とほくから
 これも自句自解があったので。

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