仁句鑑賞の前に、拙句の補足を。
・雪を来し少女に雪の匂ひかな・・(メルヘンチィックな句ですなー。と思ったんだが何処で切れるか迷っている。単純に上五でいいのか少女の所で切るのか迷った。)
これははっきりした切れはないですね。あえて言えば上五のあとに、ほんの軽い切れ。
・御鏡へ飛んで能因法師かな・・・
御鏡は鏡餅の傍題。百人一首で能因法師の札が気合いもろとも鏡餅へ飛んでいったということで。まあ判じ物かな。
それでは本題へ。
・冬の供花南の島に置かれけり
難しいが、仏前に供える供花。それなりの冬の花だが、部屋の中は暖かい。それを南の島と言ったのだろう。季節感は実際には複雑に込み入っているのが現代。
・スポーツ紙拡げ春待つ散髪屋
客の途絶えた理髪店。主人がスポーツを広げているのだろう。いよいよ球春か。特選。
と思ったら清原事件。とにかく素人目にも異様だった。巨躯で目つきがただ者でない。気味が悪かったね。同じ薬物で逮捕されその後復活した江夏も同じ感じだった。
・部屋中の話聞きをり風信子
ヒヤシンス(風信子)は満面を正面に向けて、なるほど聞き耳をたてているね。
・弱虫の太宰の温み水の春
私は、太宰があまり好きでない。温かい・・・かな。
・百十三番命名を待つ春一番
ジャポニウムとなるのかな。周期律表の場所が決まっていて、実在の証拠を見つける。当然と言え、面白いね。何十年と情熱を傾ける―すごいな、真似できないの一語。
・小宇宙シテの白足袋床を打つ
能舞台がひとつの小宇宙。能はいいね。見終わった後の爽快感。カタルシスさえ感じる。準特選
・小屋掛けの葱の皮剥く圧縮音
テレビで見たなあ。泥着きの表面皮を圧搾空気で一瞬に剥く。艶やかな肌が現れるというわけ。これも春まぢかの雰囲気だね。「小屋掛け」は要るかな。
・駅前で糞する馬橇昭和かな
今の若い連中は想像できない風景だね。不思議とあまり汚いという感じはなかった。当たり前の自然現象、自然物というか。
・踏切をきちっと合わせ春の雪
ちょっと判らなかった。線路の踏切と違うのかな。雪の中の歩行を言っているのか、とも。
・牡丹雪綻びだした除染袋
汚染土をいれた袋が綻んできたということ。取りあえず仮処分したということで、その後は決まっていない。成り行きの典型だね。
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