2017年4月26日水曜日

最近の読書から   西沢昭裕

『バーニー・サンダース自伝』(萩原伸次郎監訳・大月書店)を読んでいる。
 民主社会主義者を自称し、共和党と対決する民主党の大統領候補にあと一歩のところまで快進撃したサンダースさん。父親がペンキ屋さんであったようにポーランド系のごく庶民的なユダヤ人家庭に生まれ、祖父母はナチのホロコーストで命を失っている。
 若い頃ベトナム反戦運動に身を投じたことなどは出てくるが、自伝といっても生い立ちを綴ったものではない。
 1%の金持ちが政治家とメディアを支配し、現代アメリカ社会がどんなに弱者に冷酷な分断された社会かを告発している。
 湾岸戦争のあと、とくに9・11からブッシュのイラク戦争に貧しいアメリカ国民がメディアのウソでからめとられていく様をリアルに語り、彼が無所属の下院議員、上院議員としてアメリカの真の支配者とたたかってきたドキュメンタリー。戦争に反対しているサンダースがイラクの戦地に息子が送られている貧しい母親から抗議をうけるくだりなどは日本でも起こりうると思った。
 読んでいて私は「既視感」をもった。
 なんだ、全部、今の日本にそっくり起こっていることではないか。小泉・竹中構造改革で敷かれたレールを暴走している安倍政権のもとでの格差拡大、軍拡路線はそっくりアメリカの真似をして後追いをしているのである。
 バーニーがトランプを降して大統領になってほしかったなあと私は思った。といってもオバマも最初に期待したほどにはアメリカをほとんど変革できなかったし、鉄壁の軍産複合体に手をふれることもできなかった。注目するのはバーニーはまだたった2015年からの民主党員でそれまでは35年間、ヴァーモント州の市長時代8年を含め無所属の「政治革命家」だったということ。ことし75才の民主社会主義者を自称する彼はまずアメリカの既成の支配者の一方の強固な集団である民主党の変革というきわめて困難な仕事から始めねばならないだろう。
・・・
 「既視感=デジャビュ」といえば、1980年代後半から狂乱したバブルのころに『オンリー・イエスタデイ』(F・L・アレン 筑摩書房)を読んだときにも同じ体験をしたものだ。
 1929年の世界大恐慌の前夜、アメリカを襲ったバブルの詳細なルポルタージュ。
 バブルで猫も杓子も自宅を担保に銀行から金を借りて株や土地を買い漁り、値上がりした株や土地を担保にまた銀行に走り、最後にバブルがはじけて破産する有様を読んでいて、なんだ今の日本そっくりではないか、と当時思ったものだ。(リーマンショックも記憶に新しい)
 資本主義は時代も場所も変えながら同じことを螺旋状に繰り返し矛盾を深め恐慌のあとしまつに軍拡と戦争を求めていく・・・。
 OnlyYesterdayとは「(あの狂乱は)ほんの昨日のことだった」とでもいう意味か。
カーペンターズのOnlyYesterdayは「ほんの昨日まで独りぼっちだったけど、今はちがうわ」という意味かな。

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