2015年7月23日木曜日

そう単純でもない・・・・お師匠句鑑賞 逸徳

興味のあるなしは2択選択問題でもあるまいに。興味は少しはあっても、歳時記を開くエネルギーはない(というのは一種の老化なのかもしれんが) という中間領域もある。そしてその中間領域の幅は案外広いのではないか。 わからんといって、そりゃあお前が悪いというのは教授法としては下策だ。つまり歳時記片手に作品を解読するというのが俳句読者としての有資格者というのはわからんでもないのだが、ちとたかびしゃではあるまいかね。・・・というあいも変わらぬ不平不満とまた怒られそうである。 それにさ、一般論でいえばすべての芸術分野において「不平不満」がなくなったら、もう変化はおこらんのではないか。 そりゃ保守化、固定化、動脈硬化に一歩ではないかな。

とはいえ、今回のお師匠の句そういうむつかしいところがなくて、イメージを楽しめた。心に残ったものを・・・
  ・花氷潤んでアフリカ仮面展
      仮面である。その一つ一つが仮面の向こうからことばにならないメッセージを伝えてくる。それは多様なアフリカの命の鼓動ともいうべきものだ。そしてその生命力は、すぐ近くまで来ているようで、ああと思ったとたんに遠くに離れていく。そのイメージが「潤んだ花氷」とよく合った。待っていれば氷の中から花は立ち現われてくるのだろうが、仮面は待っていてもその前に立ち尽くすのみ。面白い。
・虹消えて手提袋に常備薬
  手提げ袋と常備薬というと高齢者の必需品。それに対するにやっぱり虹は消えていかなくてはならない。わかりやすいが、ちとさみしくなった。
・栗の花匂ふ夜更けに何か割れ
  変なことを思い出す。栗の花の匂いは精液の匂いだという。ホントかよ。いまだに信じられんが。そして夜更けだ・・・・・ うーむ文学的妄想の世界にひきずりこまれそう。
・ラムネ玉コロンうすうす昼の月
   すぐイメージが楽しめた。ラムネ玉でしょ、そしてコロンだ、この音がコロコロにつながった。最後が昼の月。みんな丸い。 まるくてコロコロ。 ここでのコロンは香水で、うすうすつけるが、昼の月につながるのだろうが。 おいらは、マルクコロコロのイメージをしばらく楽しんだ。コロンが香水というのはあとで気が付いたのだが。
・キャンプ場の思はぬ広さいなびかり
   見事。準特選。よるのキャンプ場。突然の雷雨。いなびかりが照らし出した光景から「あれっ、こんなに広かったかな」という発見。 うんあるあるという感じ
・父の日や父の結はひし紐解けず
   しみじみとした句である。さまざまな思いが錯綜するね。紐のしばられているその下には何があるのだろうか。それをもしかして、今解いてももいいのだろうか。おいらは子供たちに何を包んで残そうか。紐がもし解けなかったら、はさみをもってきて紐を断ち切る子であつてほしいとも思うが、しかしなかなか解けない縛り方をおいらはできるのだろうか。 準特選
・手遅れはいつも突然立葵
   突然来るから手遅れなのだろう。そんな人の雑事は関係なく、タチアオイが咲いている。花言葉は確か「威厳」ではなかったか
・木の股に宿木生ふる薪能
   薪能か、しばらく見ていないなあ。お能と宿り木というイメージはあうような気もするが、そんなお能の作品なかったかなあ。
・朴咲くや真昼の海の荒れてをり
   ふと気が付いた。この下の部分「真昼の海の荒れており」 このイメージなんとなく何にでもあいそうな気がしたのだが
・笑ひながら夕立の中皆帰る
    夕立である。人間の都合なんか関係なく、突然おこる自然の暴力。 しかしそんなのは関係ない。というより、そういうこともあるさという生きる強さを感じた。笑っているのである。そして予定を変えずそれぞれの生活の中に帰っていくのだ。雨が降ろうが、雷が鳴ろうがそんなのどうってことないよ。明日はきっと晴れる。 いいなあ。強さと若さを感じた。特選。

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