2016年3月1日火曜日

益川ー南部 ・・・猫跨ぎ

  3月ですね。言っても詮無いが、時の流れはいや増すばかり。ところで当欄も閑古鳥で、ときたま俳句発表、鑑賞欄となり、また老人問題とか格差でわいわいやり取りはあるが、理学部OBブログとしてはいささか片手落ちか。理学的pureな気分も欲しい。
  東京新聞の夕刊に素粒子ノーベル賞の益川敏英氏が半生記を連載しているが、面白い。 率直なものいいでケレン味なく、人柄がよく出ている。筆はまだノーベル賞の段階まで行っていないが、そういえば受賞当時のことを思い出した。
  受賞が決まって、早速記者会見があってその席上。共同受賞の南部陽一郎氏のことに話が及ぶと、ユーモアたっぷりに回りを笑わせていた益川氏はふと黙り込み、顔を歪ませ、あれあれと思っていると、涙をハラハラとこぼしハンカチで目を押さえた。「うれしい」との一言。
     受賞の小林-益川理論は「CP対称性の破れ 」理論だが、淵源は1960年の南部氏の予言にあったという。その他多くの業績を残したのに南部氏はついぞノーベル賞に縁がなかった。益川氏にいわせるととにかく早すぎた。しかしその素粒子論の枠組みは明解で示唆に富み、南部氏の論文をしゃぶり尽くすように読んだというのである。そのいわば大恩ある南部氏と共同受賞となったことで感動が込み上げてきたのだろう。実にいい話で、忘れがたい光景だった。
  あと、ポアンカレ予想を解決したロシアのペレルマンの話も、感動というか、人間の知の極限を思わせるが、またいずれ。

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