2014年7月15日火曜日

わたしの初夏の読書・・・褌子

  7月はじめに投稿したら、いきなりブログ廃止になったので、あらためて4~6月の三か月に読んだ本を忘れないうちに投稿してみる
 まず石川達三『蒼氓』
 ブラジル移民のはなし。昭和10年の第一回芥川賞を太宰治や高見順をおさえて、『蒼氓』が受賞した。石川達三作品はわかいころ、勤評闘争あつかった『人間の壁』読んだことを覚えている。あとは南京攻略部隊の『生きている兵隊』中国人虐殺のリアルな描写がある。『金環食』『傷だらけの山河』は映画で見た。以下の石川作品は、読んだことないが『青春の蹉跌』とか『結婚の生態』『四十八才の抵抗』とかこの著者は実にネーミングがうまい。
 念願のショーロホフ『静かなドン』は長い長い大河小説なので読んだり中断したり、まだ三分の一くらいか。無理して読むことないなあ…なんて思いながら朝早く目がさめるので寝床でだらだらと読んでいるが何故が投げ出しかねる魅力がある。ロシア文学好きだった西原君はとっくに読破していることであろう。
 知り合いの山形県人から藤沢周平の作品風景を訪ねる旅にそのうちに行こうとさそわれた。先年、ほろほろ会の旅行で鶴岡の藤沢周平記念館に行ったことを思い出した。すすめられて『又蔵の火』『春秋山伏記』『海鳴り』を読んだ。『海鳴り』は老境にかかった商人のはなしで商売の苦労、家族とのぎくしゃくなどけっこう身につまされる。『三屋清左右衛門残日録』も枕元においてある。
 清張は『十万分の一の偶然』『死の発送』『時間の習俗』『屈折回路』いずれおとらぬ面白さ。たいして村上春樹は一冊も読んだことない。むろん食わず嫌いであろう。逸徳さんが去年、美深の柳生さんの弟のペンションに泊まったときに村上春樹に夢中になっていた。面白いの?ときいたら「春樹ワールドというのは独特でして…読んでみなければわからない」と煙にまいた。いぜん猫跨ぎさんから、すすめられて小澤征爾と村上春樹の音楽対談はなんとか読んだがあまり記憶には残らなかった。
 清張ワールドや周平ワールドはすっと入っていけるが、春樹ワールドはどうも食指が動かないのはなぜか。
 清張の続きだが『犯罪広告』『歯止め』『微笑の儀式』『生けるパスカル』『骨壺の風景』など「黒の様式」の短編集などはあっというまに読める。わたしは『理外の理』がみょうに印象に残ったが、女房は『金のかかりすぎた縁談』がおもしろかったといっていた。ふーん。読むのは二回目だが、出世作『西郷札』『ある小倉日記伝』はやはり傑作だと思う。「西郷札」はテレビにもなった。前田吟だか。
 大岡昇平『長い旅』  東海地方の防空司令官だった岡田資中将が撃墜されたB29搭乗員を処刑したところ戦後東京裁判で死刑になったという実話を『レイテ戦記』の大岡昇平がドキュメンタリーにまとめた。
 津村節子『紅梅』  夫の作家吉村昭が癌で亡くなるまでの闘病記
 シュリーマン『古代への情熱』 有名な本だがはじめて読んだ。 
 作者の名前は忘れたが『ベルリン陥落1945』 ベルリンに突入したソ連兵士のものすごい略奪や強姦には驚く。もっともロシア人はナチスドイツ軍に2000万人も殺された。
 ローレンスなんとかの『宇宙誕生の前には何があったか』は勢いこんで読み始めたがすこし読んで投げ出した。翻訳がよくない。妙にひねった文章。村山斉『宇宙になぜ我々は存在するのか』のほうがずっとわかりやすい。いま『思惟する天文学――宇宙の公案を解く』を買い込んで机辺に積んである。
 いちばん面白かったのは世田谷文学館の茨木のり子展にいってから読み出した茨木のり子『歌のこころに生きたひとびと――与謝野晶子・高村光太郎・山之口貘・金子光晴』かもしれない。とくに山之口貘のところが愉快だった。茨木のり子展は猫跨ぎさんも行ったそうだ。
 三ヶ月間にみた映画は『ミツバチの大地』『世界最果ての通学路』二本だけ。
 むかし読んだ吉村昭『落日の宴 勘定奉行川路聖謨』のなかに、プチャーチン提督のディアナ号が難破し、伊豆の戸田で新造船してロシアに送り返す話がでてくる。戸田(へだ)の港の突端につきだした松林のなかの古い記念館(深海生物博物館といっしょになっている)を六月はじめに訪ねたのも有意義であった。かつてロシア大使も訪れて日露友好の博物館になっている。戸田は日本の西洋式造船技術発祥の地なのである。
 千葉の御宿海岸にも難破したメキシコ商船を地元漁民が救済した記念碑がたっている。
 たしか和歌山にもオスマントルコの軍艦が熊野灘で難波したときに漁民が命がけで海に飛び込んで乗員を助けた記念碑がたっていたと思う。
 日本庶民の美質がでている。
 ・・・・
 いま読み出したのが林芙美子『放浪記』 有名な森光子の芝居は観たことないが原作の味はまた別。桜島にいったら芙美子の銅像がたっていたな。
 あとは『物語 史記』(山崎純一訳編)も。史記のなかの一番しられた話は李陵。中島敦『李陵』とか中勘助『銀の匙』とか古い小説だがよかったなあ。司馬遼太郎のペンネームは司馬遷にはるかに遠いという意味なのだそうだ。

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