2016年11月20日日曜日
韃靼 褌子
てふてふが一匹韃靼海峡を渡っていった
安西冬衛
「韃靼=だったん」は、タタールともいう。シベリアやモンゴル高原から東ヨーロッパへの広大なユーラシア大陸で主に狩猟、遊牧によって暮らすモンゴル系、ツングース系、トルコ系などの実に様々な民族全体をさすことば。
中国史では北方の蛮族として匈奴、突厥、鮮卑、契丹、靺鞨(まつかつ)などの名で登場する。中世ロシアを数百年支配した「韃靼」をさして「タタールのくびき」ということばもある。
農耕民族の漢民族は北方民族の侵攻にそなえて万里の長城を築いたが元王朝としてモンゴル系の「韃靼」の支配をうけ、明のあとふたたび清王朝として満州族の女真系「韃靼」の支配をうける。
司馬遼太郎『韃靼疾風録』は清国の勃興期を舞台にした小説でなぜか日本人が登場して活躍する。清国の滅亡期をえがいた小説なら浅田次郎『蒼穹の昴』『中原の虹』『珍妃の井戸』の三部作が面白い。
266年続いて1912年の辛亥革命で滅亡した清国最後の皇帝が宣統帝の溥儀。日本軍は溥儀をひっぱりだして中国東北部に偽満州帝国をでっちあげたが13年で滅亡し満蒙開拓団など悲惨な犠牲を生み出した。
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サハリン(樺太)とシベリアの間には最狭部7・3キロの海峡があることを発見したのは間宮林蔵である。日本列島側からみれば間宮海峡であるが、大陸側からみると韃靼海峡(タタール海峡)。
てふてふが一匹韃靼海峡を渡っていった
安西冬衛は大陸で病に倒れて、望郷の思いをこの一行詩に託した(初出昭和2年)
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