話は前後するが、逸徳氏の「形の素」なる本。東京へ出た折、三省堂で現物を見て面白いので買ってきた。赤木さんの塗椀中心の漆塗りのあれこれを見て思うには、椀はその形状からやむを得ないが写真は横からの視野ものが多い。内側とか底面なんかを見たいし、まあ出来れば触ってみたい。道具は人間に使われてなんぼのもの。その歴史が染み込んでいるものは矢張り文句なしにいい。本物の塗椀で毎日、飯と味噌汁をと思っているが機会がないので、中国製の漆塗(と称している)の椀二つ買ってきて使っている。木の風合いはよろしい。
内田氏の焼き物、長谷川氏の工芸品も面白い。昔の、芸術的意図のカケラもない職人の手仕事のあれこれ。みな、掌に収まる小物類なのだろうが、みな温もりがあり、力がある。貧相でなく、おもねらない。骨董の世界に入ってしまうとその世界の値札を背負ってしまうが、それに分類されないものも世の中に沢山ある。どこかへ行ったおりに見つけたりする。
この本で一番印象深かったのは、出土した六本の磨製石器。硬い石なのにふっくらと柔らかい。その表現がよく判る。もちろんこれは道具なのだ。
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