2015年3月17日火曜日

27.3仁句鑑賞・・・猫跨ぎ

急に暖かくなった。暖房はみな消し、コートも不要。20℃を越えたのではないか。

・ 囀りや落書きのあるなまこ壁
なまこ壁は漆喰で目地を盛り上げた壁で、独特の景観。その目地に落書きをした奴がいる。春の到来の一つか。
・ たらればの話はつづき鳥曇
株や保険の勧誘かな。結局はあの話もいつか彼方へ。
・ 海遠し十三参り斜に構へ
 この十三参りは七五三のあとの行事らしいが、西の風俗だね。恵方巻と同じく、じわじわと伝わってきたようだが、やっぱりピンとこないね。そんな感じを詠ったのかな。
・ 河川敷無言のままに蕗の薹
無言で通りすぎる河川敷。世に雑草はないと言う向きもあるが、まあ雑草だらけで特段感興もない。そこにおや、蕗の薹じゃないか。こちらも無言で貌を見せている。お互いに心通わせることのない存在同志、ときに気付く。ただ季節の移ろいに正直に従っているだけなのだが。そこに俳句の出番がある。
・ キャバレーの跡かたもなし春の雨
商売に栄枯盛衰はあるが、水商売は一般に腰が軽いね。駄目と思えば特に頑張らない。キャバレーなんかは最たるものではないか。
・ 未だ点かぬ降車ランプや弥生尽
これ乗合バスで、予定の停留所が次なのに、誰かが押してくれるのを待っている些か無精な一瞬じゃないか。あるね。しゃあない、自分が押すか、というわけだ。季語に合っている。  特選
・ 牛舎から伴奏ありて雪解川
雪解川が勢いよく流れている。ふと牛の鳴き声が伴奏のように、か。
・ 放射能解らぬままに土筆かな
そうだね、解らぬままに、山川草木は育っている。こいつは消えてゆかないんだね。予定調和の輪廻のサイクルに入ってこない。
 ・ シュプールの跡に雪崩のつづきをり
 本人は格好良く滑降しているつもりが、後から恐ろしいものが迫っている。我々の縮図だ。準特選
・ 黙祷のおわりの合図鳥雲に
「黙祷終わり」と、それとなく知らしめて終わる。故人はもう帰ってこないという気持がそのとき急に立ち上がる。

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