『斜陽』だったか、高校生のころ数ページ読んで逃げ出したことがある。そのご、中年になって『人間失格』を読んで、太宰作品がまったくの食わずぎらいであったことに気がついた。最近になって人生なんどめかの太宰治をぽちぽち読んでいる。『お伽草紙』『新釈諸国噺』などもなんとも楽しい作品。太宰治を論じたものは世の中に山のようにあるのであろうが、壇一雄『太宰治 人と文学』が玉川上水での入水自殺(桜桃忌は6月19日)の翌年の昭和24年に書いたもので二人が酒飲み友だちだっただけに特に面白いと思った。
なお太宰の「本妻」は甲府のひと石原美知子で昭和14年に井伏鱒二夫妻の媒酌で結婚している。二人の間に生まれた津島佑子の『火の山 山猿記』も石原家と太宰の実家津島家の関係などがでてきて興味深い。この作品はNHKの朝ドラ『純情きらり』になった。太宰が軽蔑していた大地主の実家の巨大な建物は「斜陽館」となって津軽平野に今もそびえ立ち、太宰フアンでにぎわっている。私が逸徳さんと金木町の「斜陽館」を五所川原から津軽鉄道で訪ねたとき、車掌さんの女性がダルマストーブのうえで軍手でスルメを焼いてくれ、たしか「岩木山」とかいう酒を2合ビンで買って車窓から雪の津軽平野を眺めながら飲んだ。あれはもう五六年まえのことだったか。
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