2016年8月30日火曜日

『麦秋』 ・・・褌子

    『麦秋』
 昔の白黒映画もたまにはいい。
 小津安二郎監督の『麦秋』(1951)
 鎌倉の中流家庭。老夫婦と息子夫婦と孫ふたり。それに娘の原節子がちっとも結婚しないので一家がやきもきしている。次男は戦争にいったまま帰ってこないので戦死したのだろうとあきらめている。
 娘はいい縁談をみんな断るのだが、近所に妻を亡くした中年の子持ちの男が母親と暮らしている。この母親の杉村春子が用事に来た原節子に「冗談だと思ってきいておくれ。あなたみたいな娘さんがうちの息子へ、もし来てくれるとうれしいのだけどねえ」とついおしゃべりしてしまう。
 「おばさん、私はちっともかまわないんだけど・・・」と原節子がいうので杉村春子がこんどはびっくり。
 実家の両親、兄夫婦は「なにもわざわざそんなところにお嫁に行って苦労することないじゃあないか」とこぼすが本人が決めてきたものはしょうがない。
 ・・・というあらすじ。
 やっと戦争がすんで五、六年たって日本人も落ち着いた生活ができるようになったんだなあ。
 由比ケ浜がひねもすのたりのたりと波打っている。子犬が一匹砂浜で遊んでいる。
 終章、遠くの白壁の旧家をバックに一面の麦畑の穂がゆれている。ゆっくり流れる白い雲。麦秋なのである。
 平和っていいなあ。
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