2014年9月23日火曜日

夏の読書   ・・・褌子

 7月から8月にかけての読書。
 といっても
 『思惟する天文学―宇宙の公案を解く』も『ホーキング、未来を語る』もわたしには難しく理解も道半ば。
  年中読んでいる感のある松本清張の小説は、昭和30~40年代ごろの日本社会が活写されているのが面白い。パソコンも携帯電話もなかった時代だが人間のやること考えること、はまったく同じ。
 さいきん妙に短気になって困っているのだが、反面、長い長い小説を根気よく読みたくなってきた。ショーロホフ『静かなドン』がまだ終わらないというのに、トルストイ『アンナ・カレーニナ』を読み出した。逸徳さんがいうごとく『幸福な家庭はすべて似たものであるが、不幸な家庭というものはみなそれぞれに不幸である』(中村白葉訳・河出書房版)という冒頭の一節が、ボランティアで生活相談を毎日やっているせいか、『アンナ・カレーニナ』のこの一節がいつもいつも胸に浮かぶのだ。
  近くのKさんが、『大菩薩峠』全27冊(ちくま文庫)を貸してくれた。中里介山が戦前、えんえんと書き連ねた全41巻の世界最長といわれる小説でしかも未完。Kさんは5~6年くらい貸してくれるという。
 机龍之介という何ともニヒルな剣士の物語だが、助走として読むといいかもと安岡章太郎『果てもない道中記』(上下・講談社)もKさんは貸してくれた。安岡章太郎は『流離譚』しか読んだことがないが、風貌がとぼけたいい顔をしている。文章もとぼけたユーモアがあって味わいがある。『大菩薩峠』の助走といっても『果てもない道中記』も上下二巻あってけっこう長く話も込み入っている。
 こういう行きつ戻りつ絡み合った文章を読んでいるとき、上梓されたばかりで先日送っていただいたばかりの洒落た表装の句集『緩和時間』をぱらぱらとめくって『二重螺旋ゆるりほどける春時雨』などの句が目に入ると、なにかこう、ほっと救われ様な気になるのがありがたい。猫跨ぎさんに感謝したい。

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