2014年12月26日金曜日

『麦秋』   ・・・ 映画

 昔の白黒映画をのんびりと観た。昭和26年の小津安二郎『麦秋』
 鎌倉の中流家庭。老夫婦と息子夫婦と孫ふたり。それに年頃をとっくに過ぎた娘の原節子がちっとも結婚しないので一家がやきもきしている。次男は出征したまま帰ってこないのでもう死んだのだろうとあきらめている。
 娘はいい縁談をみんな断るのだが、近所に妻を亡くした40才過ぎの子持ちの男が母親と暮らしている。この母親の杉村春子が「冗談だと思ってきいておくれ。あなたみたいな娘さんがうちへ、もし来てくれるとうれしいのだけどねえ」と用事に来た原節子についおしゃべりしてしまう。
 「おばさん、私はちっともかまわないんだけど…」と原節子がいうので杉村春子がこんどはびっくり。実家の老夫婦、兄夫婦は「なにもわざわざ苦労することないのにねえ」とこぼすが本人が決めてきたものはしょうがない。
 ・・・というあらすじ。戦争がすんで五、六年たって日本人もやっと落ち着いた生活ができるようになったんだなあ。由比ケ浜がひねもすのたりのたりと波打っている。子犬が一匹砂浜で遊んでいる。
 終章、遠くの白壁の旧家をバックに一面の麦畑の穂がゆれている。ゆっくり流れる白い雲。麦秋なのである。平和っていいなあ。

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